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設備投資で失敗しないポイント

設備投資が倒産の要因?

 新規開業時に必要な物品などを購入すると思いますが、この「設備投資」が倒産の要因になることが多いので、リスクと紙一重であるということを認識して十分に注意しなければなりません。そもそも設備投資の目的は、「効率化」や「医療の質の向上」です。
 診療科の種類や賃貸物件か否かなどの諸条件によって異なりますが、一般的に高額な設備投資は、「医療機器」、「電子カルテなどの情報ツール」、「建物および付属設備」の3点です。
医療機器については、先生が勤務されていた医療機関と同様の診療体制をと整えようとすると、「過剰な設備投資」になりがちです。近年では、開業時にCTやMRIを導入する先生も多くなりましたが、特にCTについては注意してください。例えばCTをリースしたとします。安い機種でも月額50万円はリース料としてかかります。さらに機器を操作する技師の人件費も同時にかかりますので、リース料と人件費を賄い、さらに利益を生み出すためには相当数の患者が必要になります。一方でMRIですが、脳外科であれば患者誘因や患者サービスのための強みとなります。CTに比べてリース料は若干高めですし、人件費がかかることもCTと同様ですが、MRIの撮影料の診療点数はCTに比べて高額な点数ですので、CTよりも導入しやすいと考えられます。他に一般撮影装置、エコー検査機器、内視鏡検査装置、心電図機器などありますが、これらの器機は、5~6年で最新モデルに入れ替わりますので、その点も考慮して導入する機器を選定することが必要です。
 電子カルテは、新規開業時に導入する施設が大部分です。一般的に病院に導入されているような大手のベンダーの電子カルテは、非常に高額です。さらに個別に改良を要望すれば、尚更高額になります。現在では、開業医向けのベンダーも数多く存在し、大手に比べて比較的安価で導入可能ですので、色々調べてみることをお勧めします。また従来のサーバ・クライアント式に加えてクラウド式の電子カルテも出てきましたので、それぞれのメリット、デメリットに気を付けて選定してください。
建物、及び附属設備については、自己所有なのか賃貸なのかによっても異なりますが、内装については、いずれにしても費用がかかります。床、壁、天井、空調、照明など平均で、坪単価40~50万円程度になります。さらに備品として椅子や待合室のソファー、タイムカードなども必要になります。

 

失敗しない設備投資のPOINT

1)タイミングに注意する

 開業時にすべてを揃えたい気持ちは十分に承知していますが、資金との兼ね合いを考えて段階的に設備投資することも一考してください。エコーや、心電図機器など思ったほど使用頻度が高くなく、いつのまにか部屋の片隅にポツンと置かれているということも意外にあります。スタート時は必要最低限のMEなどで始め、順次揃えていくというやりかたもあります。資金に余裕がある場合でも、運転資金として、手元に残しておくことも経営が安定するまでは必要なことです。

2)自院の経営体力に見合った範囲で設備投資を行う

 開業時に必要となるお金と、少々あとになっても良いお金とを区分して、資金計画と連動させて設備投資計画を考えましょう。資金の種類についても自己資金なのか融資してもらった資金なのかについても関係があります。融資してもらったお金は、当たり前ですが返済しなければならないお金であるということを忘れないようにしましょう。

3)設備投資は戦略的に

 前述したCTとMRIの話のように診療点数の高低も考えなければなりませんし、さらに近隣の医療機関の設備がどうなのかといったことも、自院の設備投資を行うかどうかの判断材料になります。

4)収益性に注意する

 医療機器など設備投資した際に、損益分岐点となる目標稼働数を算出しましょう。多くの場合は、導入したこと自体に満足して、何人の患者さんに対してその器機を使用したら、元がとれて、利益を生み出すのかが分からないことが多いようです。
参考)損益分岐点計算式
損益分岐点=固定費÷(1-(変動費÷売上高))

5)導入方法

 設備投資を実施する際に、購入なのかリースなのかということも考えます。リースのメリットとデメリットを下記に表しますので参考にしてください。

リースのメリットとデメリット

メリット デメリット
多額の資金を調達する必要がない 税制上の特別償却ができない
耐用年数に合わせて最新機器に入れ替えられる 中途解約が原則不可能
リース料は経理上、全額経費扱い可能 リース料の負担が重くなるときがある

おわりに

 最後に設備投資については、補助金が活用できる場合があります。経済産業省系ですと、「ものづくり・商業・サービス革新補助金」や「創業・第二創業促進補助金」などがあります。補助金については、様々な条件があったりするので、最新の補助金の情報をチェックしておきましょう。

株式会社FMCA代表取締役 藤井昌弘

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