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注意すべき感染症の話題

注意すべき感染症の話題

現代は航空機の発達により、地球規模で短時間に移動できる時代を迎え、その一方で様々な感染症のリスクに晒される時代でもあります。我が国では、国立感染症研究所や日本感染症学会、厚生労働省などを中心に、さまざまな感染症対策がとられています。

風疹

風疹ウイルスによる感染症(5類)です。その患者数は、急上昇し937人(2019年1~11週)を超えるまでになり、その勢いはおさまりません。感染を予防するには、ワクチンが有効ですが、任意接種になってからの空白の世代(30代~50代男性)があり、その穴を埋めるため、抗体価測定やワクチン接種費用を公費負担する動きも拡がっています。妊婦さんが感染すると胎児に影響がでる可能性があるため、社会をあげた対策が求められます。貴院でも最新情報を確認してください。

出典:国立感染症研究所ホームページ

麻疹

いわゆるはしかは麻疹ウイルスによる感染症(5類)です。空気・接触・飛沫により感染伝播する強い感染力をもち全身症状を伴う感染症です。肺炎や脳炎で死亡することもあり、特に乳幼児は注意が必要です。近年患者数低減に成功したかに見えましたが、今年すでに300例を超える患者数が報告されています(2019年1~10週)。これは既に昨年一年間の報告数を超えており緊急的な対策が求められています。

出典:国立感染症研究所ホームページ

風疹・麻疹混合ワクチン2回接種するなど、ワクチン接種の推奨が求められています。
啓発のためのポスター類が厚生労働省サイトに公開されています。

出典1:厚生労働省ホームページ

出典2:厚生労働省ホームページ

抗インフルエンザ薬

新型インフルエンザ対策が地球規模で求められる中、新薬として昨年3月に発売され用いられている、バロキサビル マルボキシル(商品名ゾフルーザ)について、耐性ウイルス株が分離されたというニュースがとびこんできました。武器を失わないためにも、今後、学会を中心に抗インフルエンザ薬の使用方法や使用基準について、再考しなければなりません。

出典:国立感染症研究所ホームページ

梅毒

我が国では梅毒患者が急増しています。20歳台の女性および、20~40歳台の男性の感染者が特に目立つと報告されています。梅毒はその特徴からわかりにくい疾患ですが、妊婦が感染すると胎児に影響がでる可能性があるため、まずは認知度向上、そして早期発見早期治療、コンドームの利用推進など対策が急務です。専門外の医療機関においても、こうした流行の状況をふまえ、啓発活動や認知度向上そして感染防止対策に努めていただく必要があります。

出典:日本性感染症学会ホームページ

出典:東京都福祉保健局ホームページ

結核

結核は未だに年間1万人以上の新規患者数が報告される強い感染力をもつ感染症です。我が国は、毎年漸減してはいるものの、まだ中蔓延国を脱していません。感染者には高齢者が多い一方、海外からのワクチン未接種あるいは感染している旅行者が入国する可能性も否定できません。学校や職場、病院内での集団感染事例も後を絶ちません。

出典:厚生労働省ホームページ(PDF)

更に、最近、多剤耐性結核菌の院内集団感染事例もあり、予断を許さない状況です。厚生労働省は、結核に関する疫学情報や、医療機関向けの情報「結核に関する特定感染症予防指針」などを提供しています。

出典:厚生労働省ホームページ

出典:結核予防会結核研究所ホームページ

AMR(Antimicrobial resistance)対策

薬剤耐性(AMR)対策は、抗菌薬の不適切な使用により、薬剤耐性菌が地球規模で増加する一方で、新たな抗菌薬の開発が減少し、国際的な重要課題となっています。2015年5月の世界保健総会では、薬剤耐性(AMR)についてのグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国は2年以内に、薬剤耐性に関する国家行動計画を策定することが求められました。アクションプランは必見です。

出典:厚生労働省ホームページ(PDF)

また、抗微生物薬適正使用の手引き(第一版・ダイジェスト版)はダウンロードして常備できるもので、開業医の先生方にも活用できると思います。

出典:厚生労働省ホームページ

おわりに

近年のインバウンド、ラグビーワールドカップ、サミット、オリンピック・パラリンピックなどイベントが目白押しの我が国で、可能な対策は医療機関のみならず、職場や個人レベルでも求められます

株式会社ヘルスケアスクエア 代表取締役 佐々木昌茂

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